エアコンのカバーを開けてみれば、目に見えて驚くほどのホコリがたまっていることが多いです。これではエアコンは本来の性能を発揮できず、ただ単にホコリを室内に撒き散らしているだけになってしまいます。
エアコンを常に効率良く稼働させて清潔な空気を保つためには、定期的な清掃が必要となります。今回の記事では、エアコンの清掃を行う適正な時期や頻度について解説していきます。
エアコン清掃に最適な時期について
エアコンの清掃は、稼働率が高い夏場の7~8月と冬場の11~3月頃を避けることが推奨されます。
これらの期間中はエアコンがほぼ終日稼動するため、掃除を行うには適していません。寒い冬や暑い夏に掃除作業を行うと、作業自体が非常に不快なものになりがちです。
そこで、エアコンの掃除に最適な時期とされているのが、使用頻度の低い春(4月~5月)や秋(9月~10月)です。この時期にしっかりと掃除を行うことで、夏や冬を快適に過ごすための準備が整います。
6月の梅雨時は湿気が多くなり、エアコンの除湿機能を頻繁に使用するため、掃除は梅雨入り前に完了させることが望まれます。
エアコン清掃について
エアコンの部品ごとに具体的な清掃方法や頻度などについて解説していきます。
エアコンフィルターの清掃
エアコン内のフィルターは、カバーを取り外すと見える薄いメッシュ状の部品で簡単に取り外して清掃することができます。
フィルターにホコリが蓄積すると空気の流れが悪くなり、エアコンの冷却や暖房効果が低下します。汚れたフィルターから吹き出される風は室内の空気質に悪影響を及ぼす可能性があります。
では、具体的なエアコンフィルターの清掃方法について説明していきます。
エアコンフィルターの清掃手順
エアコンフィルターを掃除する前には、掃除に必要な道具を事前に準備してフィルターを丁寧に取り外すことが大切です。
フィルターは非常に繊細なため、洗浄の際には特に注意を払う必要があります。ここでは、効率的かつ安全にフィルターを清掃する手順をわかりやすく解説します。
フィルターの取り外しと初期清掃
エアコンを掃除する際は、感電防止のために必ず電源プラグをコンセントから抜いてください。マスクとゴム手袋を着用して自分を保護し、エアコンフィルターを慎重に取り外してください。
新聞紙を敷いた作業スペースにフィルターを表面が上になるようにして置き、掃除機を使用して表面のホコリを吸い取ります。
ホコリが内部に戻ってしまわないように、表面から吸い取ることが重要です。フィルターが非常に汚れている場合は、取り外す前に掃除機で大量のホコリを先に除去することが効果的です。
水洗いと乾燥
水洗いは、後片付けが簡単な浴室で行うのがおすすめ。フィルターの裏面から水をかけ、古い歯ブラシを使ってホコリを表面へと掻き出すように洗いましょう。
エアコンの風の流れに合わせて裏から表へ洗うことで、汚れをより効率的に落とすことができます。洗浄後はタオルや清潔な布で水分をしっかりと拭き取り、フィルターが完全に乾くまで陰干しします。
この間にエアコン本体の見える範囲にも掃除機をかけ、湿ったタオルで拭くことで本体の清潔も保つことができます。本体内部に水が残らないように注意しましょう。
エアコンフィルターの清掃頻度について
エアコンの利用頻度に合わせてフィルターの清掃間隔を調整することが重要です。毎日約8時間使用している場合は、2週間に一度の清掃が理想的です。
使用頻度が低い場合は、月に一度の清掃を推奨します。また、長期間使用しないエアコンは、ホコリが付着するのを防ぐために市販のカバーを使用すると良いでしょう。
さらに、室内の温湿度によってはフィルターにカビが生じる可能性があるため、月に一度はフィルターのチェックを行うことをお勧めします。
エアコンに自動清掃機能が付いている場合でも、油汚れなどは完全に除去できないことがありますので、定期的にフィルターを点検し、汚れが蓄積する前に適切に清掃することが大切です。
エアコンの冷却フィンの清掃
エアコンの内部を開くと、最初に目につくのはフィルターです。このフィルターを取り外すと、金属製の網目構造が見えてきます。
この部分は「フィン」と呼ばれ、エアコンの熱交換器としての役割を担っており、エアコンが部屋の空気を冷却または加熱する際の中心的な部位です。
フィルターが空気中のホコリや花粉を捉えるものの全てを完全に取り除くことはできず、フィルターを通過した細かい粒子がフィンに付着してしまうことがあります。これがフィンが汚れる主な理由です。
エアコンフィンの清掃手順
エアコンのフィンを効果的に清掃するためには、次の手順に従って作業を行ってください。作業を始める前に、必要な道具を用意し、安全対策をしっかりと行ってください。
カバーとフィルターの取り外し
エアコンの前面カバーを開けてフィルターを取り出します。フィルターに多量のホコリが見える場合は、取り外す前に掃除機で吸い取ることをお勧めします。
フィルターの取り外し時に室内にホコリが広がるのを防げます。この時点でフィルターも清掃しておくと、より清潔に保つことができます。
ルーバーの清掃
ルーバーはエアコンの風の流れを調節する部品です。フィルターやフィンの汚れがルーバーにも蓄積されることがあるので、これも清掃が必要です。
取り外し可能なら取り外してから清掃し、できない場合は優しく汚れを拭き取ってください。
フィンのホコリ除去
次に、フィンに付着しているホコリを掃除機で取り除きます。ブラシ付きのアタッチメントを使用すると、フィンの隙間にあるホコリも効率的に除去できます。
掃除機では取り切れないホコリには、古い歯ブラシや綿棒を使って丁寧に取り除いてください。フィンはデリケートな部品なので、取り扱いには注意が必要です。
エアコンクリーナーの使用
フィンからホコリが大部分取り除けたら、エアコンクリーナーを均一にスプレーします。クリーナーはフィンの方向に沿って、エアコンから適切な距離を保ちながら吹きかけて10分から15分間放置し、汚れを浮かせます。
送風で内部乾燥
最後にフィルターを元に戻し、エアコンの電源を入れて送風運転を約10分間行います。これによりエアコン内部が乾燥し、清掃作業が完了します。
これらの手順を定期的に実行することで、エアコンを清潔に保ち、効率的に運転することができます。
冷却フィンの清掃頻度について
一般的に冷却フィンは、2~3年に一度の清掃で十分です。しかし、エアコンの使用環境によっては汚れが早く蓄積することもありますので、状況に応じて清掃の頻度を調整することが推奨されます。
ファンの清掃について
ホコリ取り
まず最初に掃除機を使用してホコリを取り除きます。するとファンに付いた汚れがよく見え、掃除がしやすくなります。
軽量で持ち運びが容易なコードレスのハンディ掃除機が最適ですが、手持ちの掃除機が重い場合は無理をせず、ハンディモップや割りばしにティッシュを巻きつけたりなどで代用してもOK。
ファンの洗浄
専用のエアコン洗浄スプレーを使うと、ファンの汚れを効率的に落とすことができます。風向きを調整するルーバーを取り外し、その後、ファンに直接スプレーを吹きかけてください。
スプレーが電子部品にかからないように注意し、念のため電子部品をビニールで覆って保護しておきましょう。
スプレーの塗布
ファンを手動で回転させながらスプレーを均一に塗布し、全体に行き渡らせます。目安として5回転させ、その後約20分間放置して汚れを浮かせます。
仕上げの清掃と乾燥
放置した後は、歯ブラシなどを使用して頑固な汚れを取り除きます。その後、リンスや霧吹きで洗剤をしっかりと洗い流し、タオルで軽く水分を拭き取りましょう。
最後に、エアコンを約1時間送風して内部を完全に乾燥させて完了です。
これらのステップを順守することで、エアコンを清潔に保ち、効率的に運転させることが可能です。
ファンの清掃頻度について
送風機は基本的に2~3年に1回の清掃で問題ありませんが、使用状況によっては臭いや汚れが気になるようであれば、もっと頻繁に清掃を行うことが望まれます。
定期的なエアコンの清掃は、その性能を維持して快適な室内環境を確保するために重要です。自分で清掃が難しい場合は、迷わずプロに任せることも考えましょう。エアコンを安全かつ効果的に長持ちさせることができます。