お風呂の汚れは多種多様で、一つの洗剤で全ての汚れを除去できるような万能洗剤は存在しません。
汚れの性質に合わせて適切な洗剤を選ぶことが、お風呂を効率よく清潔に保つ秘訣です。
本記事では、お風呂に見受けられる汚れの種類及び適切な洗剤の選び方について解説していきます。
お風呂に生じる汚れの特徴と洗剤の選び方
お風呂では、湯垢やカビなどに代表される5種類の汚れが発生します。
それぞれの汚れに適した洗剤を選ぶことで、効率的に掃除をすることができ清潔な状態を長持ちさせられます。
まずは、お風呂に発生する代表的な汚れの種類についてみていきましょう。
(湯垢)皮脂汚れ
体から出る汗や皮脂が混ざり合い、白っぽい膜やぬるぬるした状態の汚れを生じます。
浴槽や排水口周辺、壁や床の低い部分に溜まりやすいのが特徴です。
皮脂汚れを防ぐためには、お風呂の使用後に温度高めのシャワーで汚れを洗い流すことが大切です。
それでも残る汚れは、洗剤を使用して定期的に掃除を行いましょう。
水垢
水道水中のカルシウムやマグネシウムが蒸発後に残るために生じます。
硬水成分が原因で白く曇りザラザラした状態で、シャワーヘッド、蛇口、鏡、ガラスドア、壁などに付着しやすいのが特徴。
クエン酸を使った掃除が有効で、拭き取ることで綺麗な状態を維持することができます。
カビ
湿気が多い環境で生じる黒々やピンク色の小さな斑点状の汚れ。
タイルの目地やゴムパッキン、浴室の隅や天井に発生しやすい特徴があります。
防カビ剤や漂白剤を使用してカビを除去し、掃除後は換気を行い湿気を抑えることがカビを防ぐ上で重要です。
ピンク汚れ
ピンク汚れは、高湿度の環境下で発生するピンクやオレンジ色のぬめりが特徴の汚れです。
雑菌の増殖が原因で、排水口やシャンプーボトルの底、蛇口の周辺に発生しやすくなっています。
この汚れを予防するには、お風呂の使用後にバスルームをこまめに掃除し、菌が拡散しないようにすることが重要。
排水口専用の清掃剤を使って定期的に掃除すれば、なお効果的にピンク汚れを防止できますよ。
石鹸カス
石鹸の成分が水中のミネラルと反応して白く硬くなる汚れです。カルシウムやマグネシウムが固まることが原因で発生します。
洗面器、シャンプーボトル、バスタブの縁、壁面などによく見られます。
この汚れを防ぐには、定期的に洗剤で拭き取ることと、掃除の後には水分をしっかり拭き取ることが効果的です。
お風呂掃除用洗剤の選び方
お風呂を清掃する際には、中性、酸性、アルカリ性、塩素系といった異なるタイプの洗剤を汚れの性質に合わせて選ぶことが重要です。
洗剤の特性を理解することで、掃除が容易になり、頑固な汚れもしっかり除去できます。
各洗剤がどのタイプの汚れに効果があるかについて解説していきます。
酸性洗剤
酸性洗剤は、水垢や石鹸カスのようなアルカリ性の汚れに高い効果を発揮します。
このタイプの洗剤は、蛇口や鏡についた水垢、浴槽やシャワーヘッドの石鹸カスの他、ピンク汚れにも有効です。
酸性洗剤は多くの場所で使用できるため非常に便利ですが、金属や天然石など特定の素材には使用できません。
使用前には適合性を確認しておきましょう。
クエン酸を含むクリーナーや浴室の鏡用洗剤なども酸性洗剤の一例です。
中性洗剤
中性洗剤は、デリケートな素材や頻繁に使用する場所の掃除に適しています。
皮脂や汗による湯垢や、少しの石鹸カスが付いた浴槽や洗面台の他、壁・床・蛇口周辺に付着した軽微な汚れに有効です。
市販では「浴槽用クリーナー」や「多目的クリーナー」として販売されていることが多いです。
アルカリ性洗剤
酸性の汚れに強く、皮脂や汗が原因でできる湯垢や浴槽や壁にこびりついた頑固な汚れを効果的に除去します。
浴槽の内部、排水口周辺、壁や床などで主に使用され、カビの発生を防ぐ前段階の掃除としても有効です。
「セスキ炭酸ソーダ」のような自然由来成分を含む製品が一例。
塩素系洗剤
塩素系洗剤は、カビや黒ずみといった頑固な汚れや悪臭の原因となる菌を強力に漂白し除去します。
ゴムパッキンやタイルの目地、壁やシリコン部分の黒カビ、排水口や床の隅のヌメリや雑菌に効果的ですよ。
カビ取りスプレーとして使用後は必ず水で洗い流し、使用時は十分な換気をして酸性の洗剤とは絶対に混ぜないようにしましょう。
まとめ
全ての汚れに万能な洗剤はありません。お風呂掃除を効率的に行うためには、汚れの種類に応じて適切な洗剤を選ぶことが重要です。
洗剤には大きく分けて中性、酸性、アルカリ性、塩素系の4つのタイプがあります。
本文で解説したとおり、それぞれ皮脂汚れ、水垢、カビ、ピンク汚れ、石鹸カスなど特定の汚れに対応しています。
忙しい日々の中において、お風呂掃除を効率的に行い清潔に保つ一助になれば幸いです。