日々の生活に欠かせない洗濯ですが、洗濯物を干すときに不快な臭いがしたり、黒い斑点が付着していたり、時には洗濯槽からも異臭を感じたりなど経験はありませんか?
黒い斑点の正体は、黒カビと呼ばれるカビの一種。
今回の記事では、そんな洗濯機からの不快な臭いや衣類に付着する黒カビを予防する方法など詳しくご紹介します。
洗濯機の不快な臭いの原因
時には洗濯機自体から嫌な臭いがすることがあります。この臭いが発生する原因として、主に以下の内容が考えられます。
- 洗濯槽にこびりついた汚れや黒カビ
- 排水ホースと排水口の接続不良
黒カビとは?
黒カビは家庭の浴室、壁面、窓の枠、洗面所など多くの場所に生息する一般的なカビの一種。このカビはきのこや酵母と同じく真菌類に属し、主に「菌糸」と「胞子」で構成されています。
通常、黒カビの胞子は屋内の空気中に漂い、様々な表面に付着して増殖しますが、赤カビや白カビとは異なり、黒カビは侵入した素材の内部に深く根を張るのが特徴です。
表面のカビを取り除いても根が残っていると、すぐに再び発生してしまいます。
洗濯機の黒カビ対策
洗濯機を使用した後にフタを閉めたままにしていると、洗濯機内の湿度が高く細菌が繁殖しやすい環境が維持されてしまいます。
一見、綺麗で大丈夫そうに見えても、洗濯槽の内側に空いている穴の奥に汚れが付着しやすく、黒カビの温床となっています。
対策としては、洗濯が終わった後は内部の水滴を丁寧に拭き取り、フタを開けて内部を十分に乾燥させることが重要です。
室温や湿度にもよりますが、最低でも2時間程度は開放しておくことが望まれます。
排水ホースや排水口周りも定期的に接続状況などを確認し、こまめに清掃するように心がけましょう。
これらの対策を講じることで、洗濯機の臭いや黒カビの問題を根本から改善し、清潔な洗濯環境を保つことができます。
衣類に黒カビが発生する主な原因
衣類を清潔に保つために使用する水や洗剤が、実は黒カビの栄養源となってしまうことがあります。黒カビが繁殖しやすい環境を作り出す要因には、主に以下の内容があげられます。
- 黒カビが繁殖しやすい温度と湿度:湿度70%以上、温度20~30℃
- 衣類に付いた汚れやホコリが洗濯槽に蓄積
- 洗濯機内に溶け残った洗剤や水垢
- お風呂の残り湯に含まれる細菌
普段からこれらの環境要因を改善すれば、黒カビの繁殖を大幅に減らすことが可能です。
黒カビと不快な臭いを除去する洗濯槽の掃除方法
続いて、洗濯槽の黒カビや臭いを効果的に除去する掃除方法をわかりやすくご紹介します。
洗濯槽の清掃には専用のクリーナーを用いるのが効果的です。市販されている洗濯槽クリーナーには主に塩素系と酸素系の2種類があります。それぞれの主な特徴は以下をご参照ください。
塩素系クリーナー
塩素系漂白剤は、カビを効率的に分解し除去する強い殺菌作用を持っているので、見えないカビ菌まで取り除くことができ、非常に高い洗浄効果を発揮します。
ただし、塩素系漂白剤を酸性の物質と混ぜると、有害なガスが発生する可能性があるため、使用時は特に注意が必要です。
すすぎが不十分だと衣類の色落ちの原因にもなりますので、使用する際は十分に注意してください。
酸素系クリーナー
酸素系クリーナーの主成分は過酸化ナトリウムで、その強力な発泡効果が頑固なカビを剥がしつつ除去します。
洗濯槽についたカビや茶色の汚れが浮かび上がるので、汚れが取れている様子を直接確認できます。塩素系漂白剤と比較して殺菌力は若干劣るものの、衣類を傷めにくいので日常的に手軽に使用できるのがメリットです。
しかし、使用中に浮かび上がったカビや汚れを除去する必要があり、少々手間と時間がかかる場合があります。
特に、フタが開けられないドラム式や二層式の洗濯機では使用が難しいこともありますので、使用する前に洗濯機の取扱説明書をしっかりと確認することが大切です。
洗濯槽クリーナーの使い分け
長期間掃除をしていない場合は、最初に酸素系クリーナーでカビを剥がした後、塩素系クリーナーで殺菌処理をすると効率がよいです。
半年に一度掃除を行う場合は塩素系クリーナーを使い、月に一度掃除を行う場合は、酸素系クリーナーを使用するとよいでしょう。
洗濯槽の洗い方
用意するもの
- 洗濯槽クリーナー:酸素系と塩素系があります。使い分けについては後述します。
- ゴミ取りネット:浴槽用の垢取りネットでもOK。
- 50度程度の温水:使用済みのお風呂のお湯でもOK。
掃除の手順
- 洗濯槽に温水を最高水位まで入れます。
- 酵素系漂白剤を500グラムから1キログラムまで入れます。
- 「洗い」の設定で3~5分間撹拌させます。
- 当日中に2~3回、この撹拌を繰り返します。
- 一晩放置した後、再度「洗いだけ」の設定で3~5分洗い、排水と脱水を行います。
- 洗濯槽を清水で満たし、通常の洗濯コースを実行して最終的に洗浄します。
掃除の頻度
通常は2~3ヶ月に一度のペースで行い、湿度が高い梅雨時期には月に1回の掃除をお勧めします。けっこう時間を要するので、休日の朝から洗濯機を使用した後に行うとよいでしょう。
この一手間をかけて洗濯槽を清潔に維持することで、嫌な臭いや洗濯物の黒カビを防止することができます。
以上、洗濯槽クリーナーを用いれば効果的に洗濯槽の掃除をすることができますが、洗濯機クリー二ングの専門業者に依頼するという選択肢もあります。
購入してから一度も清掃したことがなかったり、数年間放置していたりすると、洗濯槽クリーナーでも完全にカビや汚れを除去することは難しくなります。
中途半端にカビや汚れが残り、かえって洗濯する度に流出を促し衣類に付着してしまい逆効果になりかねませんので、放置期間が長い場合は専門業者に依頼しましょう。
洗濯槽を清潔に保つポイント
最後に、洗濯槽を常に清潔な状態に保つポイントをあげます。
- 洗濯機の蓋は常に開けておく。
- 洗濯機の中に衣類を長期間放置しない。
- 洗剤、柔軟剤は必要最小限の量を使う。
日頃、上記を心がけたうえで、ご紹介したように洗濯槽クリーナーを用いた清掃を行うと、洗濯槽を効率よく清潔な状態に保ち、黒カビや異臭の予防にもなります。