壁掛け時計の針が狂うのはなぜ?原因の特定方法と対処法を紹介!

壁掛け時計の針が狂うのはなぜ? 生活

壁掛け時計が遅れる主な原因は以下のとおりです。

  • 公差
  • 電池残量低下
  • 経年劣化
  • 針ずれ
  • 磁気帯び

この記事では、時計が遅れる理由とその対処方法を詳しく解説し、自分でできるチェック方法も紹介してまいります。

壁掛け時計が遅れる主な原因

壁掛け時計が遅れる要因は様々ありますが、最も考えられる内容としては冒頭にあげた5つが考えられます。1つずつ詳しくみていきましょう。

公差

公差とは許容誤差の最大値と最小値の差をいいます。時計の「精度」を測る指標として、日差(1日の誤差)、月差(1ヶ月の誤差)、年差(1年の誤差)がありますが、これらの公差を知っておくとよいでしょう。

一般的には日差±15秒であれば許容範囲、つまり公差の範囲内と考えられます。

自動で時間を補正する機能を持たない通常の時計では、長年にわたって完璧な時間を刻み続けることはできません。

公差の範囲内であれば経年劣化や故障とはみなされないので、定期的なメンテナンスにより時間補正を行っていくことが必要です。

電池残量低下

時計が電池式の場合、残量が低下すると狂い始めます。完全に電池が切れると時計は止まりますが、残業が少なくなると針を合わせても再び遅れが生じます。

時計の針が狂い始めたら、まずは電池残量の低下や電池切れを疑ってみましょう。電池を入れ替えても改善されなければ、他の要因が考えられます。

経年劣化

時間が経つにつれて時計の部品が自然に老朽化し、元々の性能を維持できなくなっていきます。

壁掛け時計を構成する多くの精密部品には潤滑油が塗られていますが、長期間使い続けることで油が劣化したり油切れが生じたりします。それによって部品間の摩擦が増え、時計の狂いにつながるのです。

また、時計の内部にはホコリや糸くずや虫の死骸など、微細なゴミが蓄積されて時計の部品の動きを妨げることで時間が狂うケースもあります。

定期的なメンテナンスを実施すれば、部品の機能を修復させることができます。

針ずれ

アナログ型の壁掛け時計には通常、時針、分針、秒針の3つの針がありますが、これらの針が正しく作動せず正しい位置を示せなくなることを「針ずれ」といいます。

針ずれには、針自体の物理的な要因と時計の内部構造に関わる要因とがあります。

物理的な要因としては、具体的には針が歪んだり形が変わったりすることで互いに干渉し合い、時計が狂ってしまうケースですね。

針が長時間にわたって不適切な状態で保管されたり、運搬中に無理な力が加わったりすると針が変形しやすくなり、上記のような症状が発生します。

針が外見上問題ないのに時間が狂っている場合、内部構造に何らかの問題がある可能性を疑いましょう。

時計の内部には多数の小さな部品が組み込まれていますが、中でも歯車は時計の動力を伝達して機能させるために不可欠なもの。

歯車間にはスムーズな動作を保証するため、「バッククラッシュ」とよばれる微小な隙間が設けられていますが、経年と共に隙間が不適切な状態になり誤差が生じることがあるのです。

磁気帯び

私たちは、テレビ、ラジオ、冷蔵庫、電子レンジ、パソコン、スマートフォンなど数えきれないほどの電子機器に囲まれています。

これらの機器から放出する磁気が、壁掛け時計の精度に影響することがあります。

時計の内部は金属部品で構成されており、特に電子機器が多く集まる場所に時計を設置すると磁気の影響を強く受けます。

時期の影響で内部の部品が互いに干渉し、時計が正常に作動しなくなる事象を「磁気帯び」といいます。

磁気の影響に強い設計の「耐磁時計」と、そうでない「非耐磁時計」があり、使用している壁掛け時計がどちらであるかを確認しましょう。

耐磁時計は最低でも5cm、非耐磁時計は10cm以上電子機器から離して設置することで、磁気帯びを最小限に抑えることができます。

壁掛け時計が狂っている原因の特定方法と対処法

壁掛け時計狂い始めた場合、これまで述べてきたいずれかの原因が考えられます。どの原因に該当するのか特定する方法をご紹介していきます。

電池が原因の場合

壁掛け時計が狂う原因として一番可能性が高いのが、電池の残量低下や電池切れです。電池が原因かどうかを調べるため、まずは以下にあげる内容について1つずつ確認していきましょう。

電池の種類

時計に適した正しい種類の電池を使用しているか確認してください。間違った種類の電池を使用していると、時計のパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。

例えば、電波時計やデジタル時計にはアルカリ電池が推奨され、アナログの非電波時計にはマンガン電池が適しています。まずは時計の説明書等により適正な電池が使用されているか確認しましょう。

電池の液漏れ

時計の電池ホルダーを開けて、液漏れがないかどうか確認してください。。液漏れは時計の機能を大幅に低下させる原因となります。

液漏れしている場合、電池の表面がぬめりを帯びていたり、白い粉が付着していることがあります。

これは電解液が漏れ出している証拠で、アルカリ電池の場合は水酸化カリウム、マンガン電池の場合は塩化亜鉛水溶液が主成分です。

皮膚や目の保護のために手袋や保護メガネを着用し、液漏れした電池やホルダーに付着した液体や残留物を慎重に拭き取りましょう。

電池の残量

推奨されるタイプの電池を使用して液漏れがない場合でも、電池の残量不足が時刻の狂いの原因となることがあるので、定期的にチェックすることをお勧めします。

電池残量の確認には、エコタイプや電池タイプの電池チェッカーがとても便利です。様々な電池に対応しており、使いやすいモデルを選んで常備しておけば、いつでも電池の状態を把握できます。

電池残量の低下が確認されたら、直ちに電池を交換して時間を合わせましょう。

ソーラー式の充電不足

壁掛け時計がソーラー式の場合、主な原因は充電不足です。

ソーラー時計は太陽光を最も効率的に電力に変換するため、ソーラーパネルが汚れていないか、充分な光が当たっていない場所に設置されていないかなどを確認してください。

充電が不足していると、秒針が2秒ごとに動く「二秒運針」の動きが見られます。このケースでは、より多くの光が当たるように時計を配置し直し、充電が完了すれば修正されます。

針ずれが原因の場合

時刻が狂っている原因が針ずれの場合、針の状況を目視することでおおよその症状が分かります。針が変形していたり、針どうしが干渉したりしていないか確認してみましょう。

軽微な内容であれば自身で直すことも可能ですが、無理に力を加えると折れたり致命的な損傷を与えてしまう可能性が高いです。

無理に直そうとせずに専門家に修理を依頼することをお勧めします。万が一、時計の内部構造が原因である場合は、特定するのに困難を極めます。

時計の動作に関わる「バッククラッシュ」などの微細な誤差が問題となることがありますが、正確に診断するには専門的な知識が必要です。製造元や修理専門店に相談することが望まれます。

磁気帯びが原因の場合

磁気帯びが時計の誤動作を引き起こしているかどうかを確認する方法として、コンパス(方位磁石)を用いると効果的です。

時計を壁から取り外し、裏面を上にして平らな場所に置いた後、コンパスを時計の近くに置いて針の動きを観察します。

もしコンパスの針が不規則に動いたり、一定の方向を示さないような場合、時計は磁気を帯びていると判断できます。

この場合は、磁気を除去することが必要です。この作業には磁気除去器を使用し、時計内部の部品を丁寧に扱いながら磁化を解消します。

自宅で磁気除去器を持っている場合は、自分で処理を行うことも可能ですが、操作を誤ると逆に磁化を強めてしまう恐れがあります。

専門的な知識が求められるため、この処理についても、時計の製造元や専門の修理店に依頼するのが安全です。

経年劣化が原因の場合

時計を長期間使用すると、内部の潤滑油が乾燥したり劣化したり、ほこりや汚れが蓄積したりすることがあります。

これらの問題を適切に解決するには、定期的なオーバーホールが最も効果的です。

オーバーホールとは、専門の技術者により時計を分解し、各部品を一つずつ検査して清掃や調整を行っていく作業です。

必要に応じて新しい潤滑油を追加したり、部品を交換したりすることで、再び時計を蘇らせ従来の性能を維持することが出来ます。

専門知識もないのに時計を分解してしまったり、誤った方法で時計を傷めてしまったりするリスクを避けるためにも、定期的にメーカーや修理専門店に相談しましょう。

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